DAY2 ②三俣小屋→鷲羽岳
■工程
双六小屋(5:00)→中道分岐(5:20)→三俣蓮華岳(6:45)→三俣山荘(8:00)
→鷲羽岳山頂(9:20)→ワリモ分岐(10:20)→水晶岳(11:20)→ワリモ分岐(13:00)→祖父岳(13:40)→祖父庭園分岐(14:00)→三俣山荘(15:30)

三俣山荘から鷲羽岳はCT約1時間半ほど。まずは圧倒的存在感を放っている鷲羽岳を尾根沿いにジグザグ登っていく。
三俣から見る鷲羽の迫力は、かつて中央アルプスの木曽殿越から見た空木岳の圧倒感を彷彿とさせたが、実際に歩き始めて見ると傾斜はそれほどキツくなく淡々と登り切ることができた。何より一息ついて振り返った時に一面に広がるハイマツと三俣山荘の景色が非常に綺麗で、今回の旅のハイライトの一つとなった。




鷲羽岳の山頂は広めで、日中すごく暖かかったこともありのんびり休憩してしまった。
ここからワリモ岳を超えて水晶へ向かう。前日の双六岳でカレーを食べている人を見て、完全にカレーの口になっていた。そして急激な空腹に襲われ、行動食のミックスナッツで腹を満たしつつ水晶小屋でカレーを食べよう!と心に決めたのでした。


DAY2 ③鷲羽岳→水晶岳
ワリモ岳の山頂は通らず巻道になる。ザレ場のアップダウンが続くものの、危険箇所は特になく難なく進むことができる。
鷲羽岳から水晶岳方面は雲の平や高天原に行く人がちらほらいたが、人が一気に少なくなった気がする。水晶岳までは約3時間の長い道のりだが、視界の中には常に槍ヶ岳が見えるし、黒部五郎岳、野口五郎岳の五郎コンビや雲の平と薬師岳の景色が続くので個人的には一瞬に感じた。
途中すれ違った親子に、
「水晶小屋にカレーライスがあるりますか?」と尋ねると、元気なお子さんから
「カレーは売り切れだけど力汁があるよー!」
と貴重な情報をいただいた。カレー売り切れかい!力汁ってなに!?と思いつつ淡々と水晶小屋を目指す。




水晶小屋に到着。
このテラスから見る景色はとにかくすごい。目の前には野口五郎岳、北方面には剱岳と立山、南方面には鷲羽岳、槍ヶ岳と穂高連峰。超贅沢なまさに北アルプスの”へそ”といったところでしょうか。ちなみに「力汁」は牛蒡やお餅が入った豚汁のようなもので、それ以外に「カップラーメン」と「ジビエ丼」が残っていた。まだ11時だったので、ダッシュで水晶岳を踏み、戻ってから昼飯タイムにすることとした。






赤牛岳方面の読売新道を進むと奥黒部ヒュッテがあるが、水晶岳からのCTが7時間半ととにかく長いので、覚悟を決めて歩く必要がありそうだ。その先にある平野渡場からは船で平ノ小屋まで渡ることができる。(グレートトラバースで田中陽希が使っていたような気がする)距離は長いが、考えるだけでワクワクする非常に楽しそうなコースなので、いつか試してみたい。
DAY2 ④水晶岳→祖父岳→三俣小屋
水晶小屋に戻って、テラスで野口五郎をみながらのカップラーメンをいただく。山価格なんですが、その金額にふさわしい標高2,800mからの景色でした。(ちなみに水晶小屋で100円で水を汲めます)

目的の頂は踏んだので、三俣山荘へ帰ることとする。
帰り道は決めておらず、残りの体力次第で選ぼうと思っていた。雲の平に憧れがある自分としては、少しでも近くで景色をみたいと思い、祖父岳から祖父庭園を抜けて三俣山荘へ帰るコースをチョイスした。



祖父岳から雲の平への分岐までの下りはゴロゴロした岩の上を進むが、コレが歩きにくく疲れた足には結構なダメージだった。ただ、雲の平と薬師岳の景色はバッチリで、あと少しで手が届きそうなところを惜しみながら三俣方面へ進む。雲の平は特に何かあるわけではないのだろうけど、「日本最後の秘境」というパワーフレーズにとにかく惹かれてしまう、いつか薬師沢で釣りをしたいんです。


祖父庭園から黒部源流までの下りは中々の傾斜で、正直バテました。数歩進んでは休憩を繰り返し、なんとか鞍部の沢まで辿り着く。黒部源流はとにかく水が豊富で、所々に小さな沢があり水の音に癒されながら三俣への最後の登りを進んだ。



三俣のテン場はとにかく良い!!鷲羽岳と水晶岳を見ながら酒を飲めるなんて最高でしょう。
そして人が多すぎてテント難民が発生し、完全に定員オーバー状態になっていた。
夕方、ちょうどガスが発生しアーベントロートを拝むことはできなかった。そして夜寒すぎて星の撮影もできず、約15キロ歩いた疲れが押し寄せ、2日目は眠りにつきました。(足が寒すぎてダウンパンツを購入しようと決意しました)
後編に続く