2020年のとても長ーい梅雨が続く中、唯一の晴れ間を狙って山形の名峰「大朝日岳」に登ってきました。平日の夜中に東京を出発し朝4時半から登り始めて約23kmの道を歩き倒し、日帰りで帰宅する超ストイック行程だったが、弾丸ならではの割り切った楽しみ方もできたし、何より朝日連峰の景色はアルプスにも負けない絶景でした。

コースは朝日鉱泉「ナチュラリストの家」から、反時計回りにいくつかのピークを超え、朝日鉱泉に戻ってくる周回コースを選んだ。合計距離は約23km、累計標高は登りで2,000mを越える日帰りとしてはかなりハードな行程だ。(期間があれば大朝日小屋で一泊したかったところ)ただ、コース内は水場が多く、夏場なので水分を補充しながら進めるのは心強かった。
朝日鉱泉→鳥原山
朝日鉱泉までの車道は非常に細く溝もあるため運転はかなりの注意が必要。
駐車場は10台ほど停車可能なスペースがあるが、朝日川での渓流釣りも人気のようでピークは駐車場が賑わうこともあるかとおもう。
朝日鉱泉ナチュラリストの家からスタートすると、早々に長さ30mはあろうかと思われる吊橋が登場。手すり代わりとなる縦ワイヤーの隙間も広めで、鉄板もガタガタしていたりとアドベンチャー感が堪らない橋でテンションが上がった。



最初の水場である金山沢に到着。前日からの雨で5mほど幅のある沢は増水していたが、足首まで浸かりながらの沢越えが逆に気持ちよかった。
金山沢から少し登ると鳥原山の湿原エリアに入り、視界が開けた気持ちいい木道が続く。鳥原山避難小屋との分岐を朝日岳方面に進むと、鳥原山に到着する。これから縦走する小朝日岳、大朝日岳の景色にワクワクしながら、ここで小休止した。



鳥原山→大朝日岳
振り返ると非常に綺麗な雲海が広がっていた。
曇り空ならではの美しい景色もある、神秘的な光景をしばらく眺めていた。
写真には映らないが、山形側には月山と鳥海山、宮城側には蔵王が雲海に浮かんでいた。雲海のおかげもあってか名峰たちがしっかりと見え、稜線のトレイルをより楽しいものにさせてくれた。














大朝日岳の山頂は360°の展望で、
飯豊連峰、磐梯山、吾妻連峰、月山、鳥海山など名峰が望める。また、日本海と薄らと佐渡島が見えるのも嬉しいところ。海が見える百名山は個人的に特別感がある。絶景の中でラーメンでも食べたいところだったが、トンボやら蜂やら虫が多すぎたので早々に下山することにしました。
大朝日岳→朝日鉱泉
下山路は「中ツル尾根ルート」と「御影森山ルート」の二つがある。
「中ツル尾根ルート」は大朝日岳の直登ルートで他のピークを経由せず直登する分、急勾配が続く。標高を下げた後の沢沿い歩きも細かいアップダウンが多く、距離が長いので大変とのこと。(距離は約8km)
「御影森ルート」は平岩山や御影森山などのピークを越えて下山するルートで、距離が13kmととにかく長い。今回は御影森山ルートを選択したが、正直睡眠不足と疲労でクタクタとなった体には非常に厳しいルートであった。





御影森山までの道がとにかく長くて、精神的にダメージを負いました。笑
下山時、登ってくる中年女性の方とすれ違い挨拶を交わすと、
「少し先に熊がいたよ〜。熊が気付いて下の方に逃げて行ったから助かったけど、怖かったよ。気をつけてね。」
と言われる。
正直めちゃくちゃビビった。笑 音楽を流したり大声を出したりしながらと必死に人がいるアピールをして足早に下山しました。途中にガサガサという音がするたびに緊張感が走り、非常に気が抜けない下山路になりました。



下山後は近くの「りんご温泉」で汗を流しました。りんごが浮いているこじんまりとしたお風呂で、何より値段が300円と圧倒的に安かった。
その後、米沢牛を食べてから帰ろうという話になり、ミートピアというお店で舌鼓を打って東京に帰還しました。


タフな山行だったが、大朝日岳の景観は素晴らしかった。
また遠くから見る飯豊連峰も非常に勇ましかった、いずれチャレンジしたいと思います。