南アルプス鳳凰三山での遭難未遂からはや二週間、未だにO氏と私の心の傷は癒えていなかった。
これ以上時間が経つと山に登れなくなるかもしれない(言い過ぎかもしれないが、本当にそのくらい傷心だった)というところで、O氏がリハビリのために山へ行こうと誘ってくれた。
正直残雪はもう懲りていたが、この傷心を乗り越えるためにも攻めた選択を。ということでまだまだ雪が残る南八ヶ岳の権現岳に登ることとした。
南八ヶ岳にそびえる権現岳
八ヶ岳の中で最も南に位置する権現岳は、富士山や南アルプスの眺望がよく、勇ましくそびえる赤岳や阿弥陀岳を見渡すことができる南八ヶ岳の名峰だ。今回は心のリハビリを兼ねて日帰りコースで権現岳に登ってきた。
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TRAIL DATA
■日程: 2015年4月12日(晴れ) ■工程: 天女山Parking(4:00)→前三ツ頭(7:10)→権現岳(9:20) 権現岳(9:40)→天の河原(12:50)→天女山Parking(13:00) ■総距離: 約10Km
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なお、権現岳からは20mのハシゴを越えて赤岳へ向かう通称「キレット越え」と言われるコースがある。 今回は日帰りだが、2018年GWの八ヶ岳縦走にてキレット越えを経験した。 かなりの体力が必要であり鎖場やハシゴを越えれる技術も必要になってくる。 「キレット越え」の様子は八ヶ岳縦走の記事を参考にしてください。
急登を越えた先に
朝4:00、天女山Parkingに到着。O氏は前回の鳳凰三山で踏み抜き地獄にあった教訓から、ワカンを購入していた。
「もし三歩連続で膝上まで踏み抜いたら引き返そう」
と二人でルールを決めていたが、そこまで深い踏み抜きはなく、ワカンも使うことはなかった。






三ツ頭から山頂へ
三ツ頭を越えると、赤岳と阿弥陀岳がど迫力で登場する。




せっせと歩いていると、森の中に何か動く気配を感じた。
熊!?なわけがないと思いつつ、目を凝らして見ると、デカめのニホンカモシカがじっとこちらを見つめていた。
お会いしたのは初めてだった。 一瞬心臓が止まるかと思うほどびっくりしたが、しばらく見ているとそのかわいらしい姿に癒された。





山頂はあまり広くないが、景色は抜群に良かった。 二人の心の傷は無事癒された。 リハビリは成功し、また山に行きたいと思わせてくれるような大事な山行になった。